中日ドラゴンズ アカデミー賞

中日ドラゴンズ アカデミー賞

中日ドラゴンズを応援しています。主に試合で感じたことをアカデミー賞風に綴っています。

ファンの想いの体現者

2020/6/21 対ヤクルトスワローズ


神宮球場での対スワローズ第3戦。

結果は3-0でドラゴンズの勝利。

 

鬼門の神宮球場2勝1敗の勝ち越し

開幕三連戦の勝ち越しは何と8年ぶりなようで、上々なスタートを切れたと言って良いでしょう。

 

では早速、本日の中日ドラゴンズアカデミー賞を発表します。

 

 

■主演選手賞

 梅津 晃大 投手

 

投打のヒーロー、ドラゴンズ今シーズン初の先発白星を勝ち取った梅津投手を選出。

 

まずば

2試合連続失点中の初回を三振併殺という最高の形で切り抜けると、先制点後の2回も無失点に抑え流れを渡さない。

 

次に

今日の試合は2対0となってからの緊迫した投手戦の中、どちらが先に点をとるかが勝敗のポイントだった。

 

6回表、先頭打者としてバッターボックスに立ったのは梅津投手。

追い込まれてからの4球目を見事なセンターオーバーのツーベースヒット。

 

結果、福田選手のタイムリーヒットで3点目のホームを踏み、自らの投球を援護する貴重な1点を生み出した。

 

先週の練習試合でも、記録はライトゴロとなったものの、粘り強いバッティングを見せていた梅津投手。

 

決して綺麗なスイングではないものの、普段から真剣にバッティングに取り組んでいることが分かる素晴らしい一打となった。

 

そして最後に

追加点を奪った後の6回裏も無失点。

結局、7回を投げ3安打無失点の完璧な投球を見せ、今シーズン初勝利を手にした。

 

昨シーズン終盤も素晴らしいピッチングを見せていた梅津投手だが、5回あたりを境に球が抜け気味になるのが気になっていた。

 

スタミナ不足である。

 

ところが今日は、7回でも150キロ前後の直球を投げコントロールも安定していた。

 

昨シーズンからの成長を見せてくれた梅津投手。

エースへの一歩目を力強く踏み出した。

 

 

■助演選手賞

 木下 拓哉 選手

 

昨日に続いて木下選手を選出。

今日は、梅津投手・Aマルティネス投手・岡田投手を上手くリードし、ドラゴンズの完封リレーを演出

 

なかでも初回に坂口選手の盗塁を刺したのは大きかった。

あのプレーで梅津投手も落ち着くことができただろう。

 

開幕から3試合、木下選手はチームのラッキーマン的な活躍をしている。

しばらく正捕手は木下選手の起用が続きそうだ。

 

 

■助演選手賞

 京田 陽太 選手

 

2回に先制のツーランホームランを放った京田選手を選出。

 

昨シーズンから打撃フォーム、特に足を上げる始動のタイミングが明らかに変わった

 

しかし、過去2シーズンも序盤は打撃成績が良かっただけに、京田選手の打撃進化の判断は、シーズン中盤までくださないようにしたいと思う。

 

 

 

さて、開幕してからスワローズ打線の威力をまざまざと見せつけられ、抑えられないドラゴンズ先発陣にストレスが溜まっていたファンは筆者だけではないだろう。

 

加えて、全国ニュースで取り上げられるのは『石川40才で開幕投手』・『山田2戦連発』・『村上特大ホームラン』・『高津新監督初勝利』と、スワローズの話題ばかりである。

 

スワローズ打線を沈黙させ、ドラゴンズの話題しか話に上らないくらいの試合を見せてくれないものか。』

 

そんなドラゴンズファンの無茶な想いを、梅津晃大が見事に体現してくれた。

 

爽快だ。

迷いなく言うことができる。

スワローズ打線、“調子に乗るなよ”と。

 

 

選手生命の終わり

2020/6/20 対ヤクルトスワローズ


神宮球場での対スワローズ第2戦。

結果は2-6でドラゴンズの敗戦。

昨日の良い流れを活かすことができず、今シーズン初の敗戦となりました。

 

では早速、本日の中日ドラゴンズアカデミー賞を発表します。

 

 

■主演選手賞

 該当なし

 

 

■助演選手賞

 木下 拓哉 選手

 

昨日に続き今日も2安打

守備ではルーキー橋本投手の初登板フワフワ状態を救う見事な盗塁阻止

 

守備は元々安定感があるだけに、課題の打撃で結果が出ているのは良いアピールとなっている。

 

ちなみに、解説者が『打撃には定評のある木下』と紹介するのは何なのだろうか。

いったい何時、木下選手の打撃が良かったのか。

 

 

■助演選手賞

 又吉 克樹 投手

 

最近又吉投手を選出しすぎている気がするが、今日も内容・結果ともに申し分なかった

 

首脳陣の信頼度は、登板する度に上昇しているはずだ。

タフな投手だけに調子が良いと登板数が嵩みそうだが、上手くコントロールして起用していきたい。

 

 

ゴールデンラズベリー賞

 吉見 一起 投手

 

4回を投げ4失点。

初回に昨日の勝利の勢いを削ぐ3失点

3回に味方が1点返してくれた後の1失点。

 

ここぞのタイミングで失点し、昨日の大野投手に続き早い回での大量失点を招いた吉見投手を選出。

 

近年期待を裏切り続けている吉見投手だけに、筆者は何も期待をしていなかったが、良くも悪くもその期待通りのピッチングに終わった。

 

 

さて、大袈裟に聞こえるかもしれないが、これで吉見投手は早くもシーズンの崖っぷちを向かえる。

 

昨シーズン、開幕ローテーションの1人として初登板で好投を見せた吉見投手だが、2戦目で3回5失点、3戦目で3回4失点と炎上し、4月を持たずに2軍に降格。

 

結局シーズン5試合の登板に終わり、そのほとんどを2軍生活に費やした。

 

その前例に則ると、次回登板で結果が出なければ即2軍降格だ。

今シーズンが120試合という例年よりも少ない試合数であることを考えると、首脳陣が昨シーズンより我慢するとは考えづらい

 

幸い、2軍には先発投手候補として小笠原投手も勝野投手も福谷投手も控えている。

 

そして、吉見投手にとってのシーズンの崖っぷちは、イコール選手生命の瀬戸際を意味する。

 

吉見投手は、今シーズン結果が出なければ現役を引退しても不思議ではない

本人も背水の陣で臨んでいるシーズンであろう。

 

別にドラゴンズにとってはどっちでも良いのだ。

吉見投手が早々に2軍に降格し若い投手に活躍の場が与えられた方が、チームにとってはプラスかもしれない。

 

次回登板のチャンスがあるのであれば、それはドラゴンズ黄金期を支えたエース吉見一起の、戦力としてのラスト登板なるかもしれない。

 

誰にでも選手生命の終わりはやってくる。

桜木花道『選手生命の終わり・・・庶民ならな。はーはっは。』と笑い飛ばして見せたが、吉見一起はどういう結末を迎えるか。

 

チームの勝敗とはまた別に、次の登板を冷静な目で見守りたいと思う。

 

 

さて、2戦を終えてドラゴンズは1勝1敗

試合のほとんどを負けている状態でプレーしていることが幸いし、中継ぎ陣は全員登板することができた。

 

今後は迷うことなく全員の中から、その場面に適した継投を行うことができるだろう。

 

初戦は現エース・大野雄大

第2戦は旧エース・吉見一起

そして明日の第3戦。

注目の未来のエース・梅津晃大が今シーズン初登板に挑む。

 

 

勝利を喜ぶことができる、その日まで

2020/6/19 対ヤクルトスワローズ


神宮球場での対スワローズ第1戦。

結果は9-7でドラゴンズの勝利。

開幕戦を見事勝利で飾りました。

 

しかし、開幕戦からド派手な打ち合いを見せてくれました。

打ちも打ったり、スタメン野手全員安打に途中出場の野手も加わり、計18安打の大爆発

 

投手戦が多い印象の開幕戦ですが、結果的には試合途中まで乗り遅れていた平田選手も含め、野手みんながシーズンのスタートを切れて良かった。

 

投手陣も橋本投手とゴンサレス投手以外は、初登板を経験できました。

 

まぁ、スワローズにも同じことが言えますが。

 

では早速、本日の中日ドラゴンズアカデミー賞を発表します。

 

 

■主演選手賞

 岡田 俊哉 投手

 

練習試合から結果が出ずに苦しんでいた岡田投手。今日も満塁のピンチを迎えるなど苦しいピッチングだった。

 

しかし、シチュエーションは開幕戦

度々苦杯を嘗めさせられている、魔の神宮球場

10回裏2点差での登板である。

 

内容はどうであれ、結果無失点でセーブをあげたことに、今日は主演選手賞を送りたい。

 

コントロールも練習試合よりはまとまってきており、いつもの岡田投手のボールは投げることができていた。

 

 

■助演選手賞

 堂上 直倫 選手

 

今日の試合は全ての野手が素晴らしい活躍だったため選ぶのが難しいが、10回表逆転となる犠牲フライを放った堂上選手を選出。

 

遠藤選手の素晴らしい出塁から、大島選手と平田選手がバントを失敗してるうちに、何故かノーアウト満塁に。

 

代打として起用された堂上選手は、最低限だが最高の仕事をしてくれた。

 

長い試合となり、雨の為ドロドロのユニフォームを着た選手が多い中、涼しげに1打席でヒーローインタビューを受ける姿が印象的だった。

 

 

■助演選手賞

 京田 陽太 選手

 

7回表に同点タイムリーを放った京田選手を選出。

ドラゴンズが点を取ればスワローズに点を取られるという典型的な負け試合の中、よく7回に追いついた。

 

アルモンテ選手や高橋選手のヒットも素晴らしかったし、京田選手も1死3塁で当てに行かずしっかりと強い当たりを打てたのが良かった。

 

京田選手にヒットが出ると打順のつながりがとても良くなる。

7番とはいえ、今後もチャンスでの打席が増えてきそうだ。

 

 

 

さて、話は少し遡るが、昨日の開幕1軍メンバー発表でショッキングな出来事があった。

 

藤嶋健人投手がメンバーを外れ、報道によると小笠原慎之介投手も開幕ローテーションを外れるということだ。

 

2人とも、キャンプ当初からずっと自分本来のボールを投げることができていなかった。

 

しかし、どうしようもない程炎上した試合があったわけではなく、これまでの実績や20代前半という年齢からくる期待も含めて、まさか開幕メンバーから漏れるとは考えていなかった。

 

特に小笠原投手は、今週火曜日に2軍戦で登板。

柳選手に続き2番手で登板し”調整の3イニング”を無難に終えたばかり。

本人も驚いているのではないだろうか。

 

首脳陣としては、「実績はあるが本来の実力が発揮できていない選手」よりも「実績はなくても実力が発揮できている選手」を選択したのだろう。

後者の代表格が山本拓実投手である。

 

それにしても、これまでも2軍に降格させる機会はあっただろうに、最終段階で開幕メンバーから外すとは。

 

塾の模擬試験には合格し続けたものの、本番の入試で不合格になった学生のようだ。

別に庇うつもりはないが、両投手ともドラゴンズ若手投手陣の先導役である。

それなりにプライドもあるだろう。

 

山本投手に開幕ローテを奪われた小笠原投手の気持ちを考えると居たたまれない気持ちになる。

実力主義のプロの世界は厳しい。

 

 

セットアッパーとして緊迫した場面で登板し、1点差を守り抜き岡田投手にバトンを渡す。

藤嶋投手の頭の中では、何回も開幕戦のシミュレーションが行われていただろう。

 

もし登板機会がなくても、ブルペンからチームの勝利を誰よりも願い、応援していたことだろう。

それが藤嶋健人という投手だ。

 

今日の開幕戦の勝利が、2人の目にはどう映ったのだろうか。

 

素直に各選手の活躍を、ドラゴンズの勝利を、喜ぶことができただろうか。

 

悔しさを糧に。

両投手がまた、全力でドラゴンズの勝利を祝える場に戻ってくることを、ファンは待っている。

 

 

長男・小笠原投手と次男・藤嶋投手の話はこちら↓↓

 

 

負けてなんぼの開幕戦

 

いよいよだ。

待ちに待ったプロ野球2020年シーズンが、明日開幕する。

 

選手にとってもファンにとっても開幕戦は特別である。

オフシーズン5か月分の準備と我慢が解き放たれる場である。

(今年はなんとオフシーズン8か月!!

 

しかしながら、少し立ち止まり冷静になり、改めて開幕戦の重要度を考えてみる。

 

 

昨年ドラゴンズは、開幕戦の対ベイスターズ戦に敗れ、シーズンのスタートを切った

ところが、その後ズルズルと連敗するわけではなく、4月終了時には13勝13敗でセ・リーグ3位というまずまずの位置に付けていた。

 

ところが、6月終了時には首位と8.0ゲーム差の5位と、完全に力の差を見せつけられ、最終的には9.0ゲーム差の5位という結果に終わった。

 

 

優勝チームの開幕戦はどうだろうか。

 

昨シーズン(2019年)の優勝チームであるジャイアンツは、開幕戦カープ敗戦

2018年の優勝チームであるカープは、開幕戦ドラゴンズに勝利

2017年の優勝チームであるカープは、開幕戦タイガースに敗戦

2016年の優勝チームであるカープは、開幕戦ベイスターズ敗戦

2015年の優勝チームであるスワローズは、開幕戦カープ勝利

 

意外にも、過去5年の優勝チーム開幕戦の戦績は、2勝3敗で負け越している。

三連覇を果たしたカープも、3シーズン中2シーズンは敗戦スタートだ。

 

ここから分かるのは、開幕戦が心理的な意味で特別であることは間違いないが、こと勝敗に関しては、開幕戦もシーズン120試合中の1試合に過ぎないということである。

 

当たり前といえば当たり前だが、改めて認識をしておきたい。

 

 

勝敗がさほど重要ではないとすると、開幕戦で大切なのはものは一体何なのか。

 

それは、開幕戦が「シーズン優勝を果たすための強いチーム作りのスタート地点」であるということだ。

もちろんキャンプ・オープン戦もスタート地点であることは間違いないが、実戦と練習は大きく異なる。

 

シーズン終了後にトップに立っているには、シーズン中にチームがパワーアップしていかねばならない。

 

 

では、具体的にドラゴンズの開幕戦で必要なこととは?

 

取り掛からなければいけない課題は多いが、その1つに「新勝利の方程式の確立(ロドリゲス投手が抜けた穴を埋める)」ある。

 

昨シーズンもジャイアンツの中川投手やタイガースの島本投手といった、シーズン開幕後に頭角を現し、チームを支えた救援投手がいた。

ドラゴンズも福・藤嶋両投手は昨年開幕ベンチ入りをしていなかった。

 

怪我などで開幕に間に合わなかった等の個別事情はあるかと思うが、本当に活躍できる選手というのは、シーズンが始まってから分かってくる

 

 

そこで、ドラゴンズ開幕戦のポイントとして挙げたいのが「初登板投手の起用タイミング」である。

 

特に、NPB初登板になるゴンサレス投手橋本投手

この2名は、課題である「新勝利の方程式の確立」に絡んでくる可能性が高い。

 

橋本投手にとっては、練習試合で屈辱の10失点を喫した神宮球場が舞台。

首脳陣としては、初登板は苦しい場面ではなく点差のついた楽な場面で起用したいと考えるのが普通である。

 

しかしここは敢えて言いたい。

「開幕戦で起用する覚悟を持て」と。 

 

 

なぜなら、開幕直後であるほど、各チーム「勝利を諦める試合」などほとんどない。

そんなに簡単に楽な場面などやってこないのだ。

 

昨シーズン、開幕ベンチ入りした佐藤優投手が中々登板機会を与えられず、開幕8試合目にしてようやく初登板をした例は、まだ記憶に新しい。

ロドリゲス投手は同じ日に早くもシーズン6試合目の登板をしている!!

 

初登板に慎重を期すぎると、起用できる中継ぎ投手が限られてしまい、ブルペン陣のバランスとリズムを崩す。

 

そればかりか、「本当に実践で活躍できる投手なのか」という見極めが遅くなり、当然登板できないその投手の成長も遅くなる。

 

首脳陣は腹を括って、初登板投手を開幕戦から積極的に投げさせる意識を持ってもらいたい。

仮に打たれたとしても、それが「新勝利の方程式の確立」の第一歩なのだ。

 

 

開幕戦までの道のりは本当に長かった。

今シーズンは尚更に長かった。

しかし始まってしまえば、翌日には第2戦があり、翌々日にはすぐ第3戦がやってくる

 

開幕戦の勝敗にこだわり過ぎず、「シーズン優勝を果たすための強いチーム作りのスタート地点」としてを戦えるか。

そして、少しでも早く「新勝利の方程式」を構築できるか。

 

開幕戦、別に負けても良いじゃないか。

それよりもシーズンを制することの方がよっぽど大事だ。

 

”負けてなんぼの開幕戦”

明日18時、神宮球場でプレイボールだ。

 (雨降るな!!)

 

 

平田良介に制約を

 

今回は、打順の話をしたい。

主役はこの男、そう平田良介である。

 

 

現在のドラゴンズ打線、首脳陣がキャンプ中から決めかねていたのが2番打者である。

 

練習試合ではアルモンテ選手平田選手、その前には高橋選手福田選手も試していた。

昨シーズン2番の経験もある大島選手は、今年はずっと1番として起用されており、開幕戦も1番でのスタメンが濃厚だ。

 

 

さて、2番打者として起用すべきはどの選手であるか。

筆者の答えは、平田良介一択である。

 

いや、正確に言えば、平田選手が1番に入るのであれば2番は誰でも良いのだが、現状大島選手が1番に固定されている以上、2番は平田選手一択となる。

 

 

理由は、平田選手の打撃スタイルにある。

 

ご存じの通り、平田選手は出塁率が高く巧打力も高い上に、長打を打てる魅力のある選手だ。

 

但し、打撃を見ていると「ヒットの延長がホームラン」という打者ではない

ホームランを打つときは、その大半が大きなあたりを狙って打っている。

 

それ故、ホームランを狙っている場合、露骨にスイングが粗くなる。

(ニュアンス的には、粗いよりも荒いの方が近いかもしれない。)

 

一番の長所であるはずの選球眼も著しく低下する。

選球眼が良い打者なのに悪球打ちのホームランが多いのはそのためだ。

 

もちろん、場合によってはホームランを狙う打撃をしても良いのだが、その割合が多くなっていくと、平田選手の能力を最大限活かせなくなっていくと感じる。

 

 

平田選手が2番に入らない場合、首脳陣は平田選手を6番あたりの下位打線で起用しようとしている。

当然だが、下位打線になると後に捕手・投手と打順が続いていくため、必然的に平田選手の意識が「出塁」よりも「ホームラン」となり、「大きなあたりを狙う」打撃スタイルとなりやすい。

 

練習試合でも、下位打線に入った平田選手の打撃は実に荒かった

 

 

一方で、平田選手を1番や2番で起用すると、「出塁をする」という役割や「ランナーを進める」という役割が鮮明になる。

 

そうなると、ここが平田選手の凄いところなのだが、類まれな選球眼や見事な流し打ちを披露して、その役割を全うする

 

象徴的なのは2018年シーズン。

主に1番を務め自己最高の打率.329を記録したシーズンだが、長打を狙う打席が少なく、流し打ち主体で活躍し、ライト前ヒットならいつでも打てるという素晴らしい状態の時があった。

 

高校時代の成績やその体格から、「制約」を設けずにフリーで好きなように打たせたほうが良い打者、という印象を周囲に与えがちな平田選手。

 

だが実際は、「役割」という名の「制約」が最も必要な打者だと感じる。

 

 

もちろん、2番に入るからといって長打を捨てるわけではない。

2番でもホームランを狙う打席があっても良い。

ただ、自身の強みを捨ててまでホームランを狙う打者にはなってほしくないのである。

 

平田選手も今シーズンに向けて「長打を増やしたい」旨のコメントをしている。

それはもちろん大切なことであるが、方向性を間違ってはいけない

 

2018年の打率.329・本塁打9本をベースとして、

目指すは、打率.280・本塁打20本ではなく、打率.329・本塁打15本である。

 

もう一度言い方を変えて言おう。

目指すべきは、いわゆるスピードフォルム平田良介からパワーフォルム平田良介への転換ではなく、スピードフォルム平田良介を維持した上での本塁打の積み増しである。

 

 

ちなみに、平田選手と全く逆の打者が京田選手である。

 

2番などに置いて「制約」を与えると、途端に打撃が縮こまり選球眼の悪さが顕著に表れる。

 

彼は「フリースインガー」として、下位打線で初球から気持ちよくバットを振る方が今のところ合っている。

 

 

また、同じく2番候補として起用されているアルモンテ選手だが、こちらは2番でも3番でも下位打線でも、特に関係なく自分のバッティングをするであろう。

 

平田選手が出場しない場合は、2番でも面白いと思う。

 

 

長々と書いてしまったが、結局のところ「2番は誰か」というよりも「平田選手を何番で起用するか」の方がドラゴンズにとっては重要なのである。

 

平田選手には多彩な能力があるため、なんとなく”何番に置いても活躍しそうだ”と首脳陣が考えているのであれば、それは危険である。

 

だが、先週の練習試合を見て、この心配は杞憂に終わりそうだ。

 

全試合2番スタメンは平田良介

鎖を纏った平田選手から、徐々に荒さが消えている。

 

 

開幕へのカウントダウン②

 

昨日で開幕前の練習試合が全て終了。

ついにプロ野球開幕まであと5日となった。

 

 

1週間前に確認した「開幕に向けたドラゴンズのチェックポイント」について、その結果を確認してみよう。

 

その時の記事はこちら↓↓

 

 

 

チェックポイントは全部で6つだ。

 

 

① 開幕ローテ―ション

 

先週の練習試合における各投手の登板日から、以下6人の開幕ローテ―ションが濃厚だ。

 

スワローズ戦:大野ー山本ー梅津

ベイスターズ戦:柳ー小笠原ー岡野(吉見)

 

ベイスターズ戦に登板予定の裏ローテ投手陣は、最終調整として明日から行われる2軍戦(対タイガース)に登板する可能性がある。

 

吉見投手と岡野投手が争っている最後の一枠については、阿波野コーチも「まだ決まっていない」旨のコメントを残した。

 

2軍戦の結果が最終判断に影響してきそうだ。

 

 

② 開幕捕手

 

先週金曜日の練習試合、大野投手の相棒を加藤捕手が務めたことで開幕捕手は加藤捕手に確定した。

 

大方の予想通りではあるが、如何せん加藤捕手の打撃は練習試合を見ていても非常に希望が薄い。

 

首脳陣は加藤捕手の評価を開幕30試合程度で見定めなければならない。

そうでなければ来シーズンも正捕手不在だ。

 

今シーズンの捕手起用方法についての記事はこちら↓↓

 

 

 

③ 開幕レフト

 

福田選手とアルモンテ選手の一騎打ちとなっている開幕スタメンレフト。

先週の起用方法を見ると、開幕レフトはアルモンテ選手がやや優勢だ。

 

はりスワローズ石川投手を得意としていることが要因だと思われる。

 

イメージに過ぎないが、石川投手の緩い変化球(特にスクリューボール)を溜めて打てそうなのはアルモンテ選手

福田選手は空振りする図が頭に浮かぶ。

 

 

④ 守護神

 

阿波野投手コーチが開幕守護神が岡田投手であることを示唆した。

練習試合での起用法を見ても間違いないだろう。

 

考えてみれば、昨シーズン終了時に決まらなかったものが、大きな補強をしたわけではないのに、今シーズン開幕時に決まっているわけもなく。

 

正捕手不在も含め、最後の練習試合でドラゴンズの弱点を改めて思い知らされた

 

いずれにせよ岡田投手は絶対的守護神ではない。

全員で最後の3アウトを奪いに行ってほしい

 

 

⑤ 打順

 

どうやら2番打者は平田選手に落ち着きそうだ。

先週の練習試合では全試合平田選手が2番として起用された。

 

 

これについては、開幕までに別途書きたいと思うが、筆者の考えと一致する。

 

題名は平田良介に制約を』の予定だ。

乞うご期待。

 

 

⑥ 開幕一軍

 

阿波野投手コーチがリリーフ8人態勢を明言した。

 

右投手:Rマルティネス・藤嶋・又吉・祖父江

左投手:岡田・福・ゴンサレス・橋本

 

その他に鈴木博志投手濱田達朗投手が1軍に帯同しているが、やや厳しいか。

 

 

 

一方野手陣(捕手を除く)では、

内野控え:堂上

外野控え:福田・武田

は1軍入りが濃厚か。

 

当落線上は、高松渡・石川駿・渡辺勝・遠藤一星・シエラとなるが果たして。

 

 

 

最後に、先週の他球団先発投手の状況も整理しておこう

 

開幕カードのヤクルト、練習試合の表ローテは、石川→(中止)→小川であった。

当初開幕3戦目に先発予定であった高橋奎二投手は不調のため2軍に合流したようだ。

どうやら石川→小川→山田大樹の可能性が高そうだ。

 

2カード目ベイスターズの裏ローテは、濱口→中川→桜井であった。

誰が投げるか非常に読みづらい状況ではあるが、濱口投手の登板は堅そうだ。

 

それと、ハマの「ドラゴンキラー」平良投手をぶつけない手はないだろう。

シーズン序盤のドラゴンズ対ベイスターズ3連戦は週前半に3回行われる。

 

ベイスターズ側からすれば、ドラゴンズ戦にあたる裏ローテから平良投手を外す理由がない。

 

 

開幕投手の今永投手の他、ピープルズ・坂本といった投手が表ローテで登板していたのを見ると、濱口→平良→桜井といった感じであろう。

 

個人的には開幕6戦目にドラゴンズ岡野投手vsベイスターズ坂本投手というルーキー対決も見てみたい気がする。

 

 

宝石のような梅津晃大

2020/6/14 対横浜DeNAベイスターズ 練習試合


ナゴヤドームでの対ベイスターズ第3戦。

結果は2-2で引き分け。

 

ビシエド選手が受けたデッドボールには思わず声が出ましたが、取り敢えず大きな怪我にはなっていないようで一安心です。

 

 

早速、本日の中日ドラゴンズアカデミー賞を発表します。

 

 

■主演選手賞

 該当なし

 

 

■助演選手賞

 阿部 寿樹 選手

 

昨シーズン5勝中3勝をドラゴンズ戦で挙げている『ハマのドラゴンキラー』ことベイスターズ先発平良投手。

 

他の球団がどう打ち崩しているのか、全く持って理解できないほどの好投手だが、今日は阿部選手がそのお手本を見せてくれた。

 

第1打席・第2打席で見事に逆方向のライト前へヒット。

 

平良投手の特徴は、サイドハンドからの独特の軌道のストレート・変化球を、コーナーに投げ分けてくるところにある。

 

ストレートの球速はそれほどないが、その分変化球との球速差が少なく、ストレートと思って振ったらスライダーだった、又はその逆、というような空振りが非常に多い。

 

やはりこの手の投手には、ボールを長く見てセンターから逆方向が有効なのであろう。

 

初回の遠藤選手のツーベースをはじめ、今日平良投手から放った5安打のうち4安打がセンターから逆方向であった。

 

結果1得点であったが、少なくとも昨シーズンよりは平良投手の球を各選手捉えることができていた

チームとして意識して取り組んでいたのが伺える内容であった。

 

阿部選手は6回にも同点につながる四球を選び、今日は3出塁

開幕直前になって調子を上げてきたようだ。

 

 

■助演選手賞

 梅津 晃大 投手

 

最速152キロのストレートを軸に、5回1失点の素晴らしい内容

 

前回のライオンズ戦と同様、スライダーのコントロールが多少甘かったが、それでも5者連続三振を奪うなど申し分のない内容。

 

本人の試合後のコメント曰く、普段は「変化球の方が得意」ということだ。

 

ここから更にスライダーの精度が上がると思うと、恐ろしい投手である。

 

 

余談だが、筆者は好投手の条件として、ストレートの他に2種類の変化球を自在に操れることが必要だと考えている。

 

梅津投手は、ストレート・スライダー・フォークボール

この3つの球種を自在に操ることができ、その質も素晴らしい

 

 

ドラゴンズの、いや日本球界のエースになれる器がここにいる。

 

まだ結果は残していない原石だが、その原石からは光が溢れ出し、磨く前から中身が宝石であることは明らかだ。

 

 

さらに、今日ファンを魅了したのは、2回裏同点のチャンスで打席に立った梅津投手である。

 

前の打者である加藤捕手の打席が恥ずかしくなるくらい、練習試合にも関わらず得点に執着する素晴らしい打席を見せてくれた。

 

結果はライトゴロであったが、決して打撃が得意そうではないスイングで、ボール球をしっかり見極め、フルカウントまで粘りライト前へ

 

誰よりも勝利にこだわる姿を、ファンにも首脳陣にも見せてくれた。

 

 

梅津投手が登板する試合は、攻撃より守備の方が見ていて楽しい

これは久々の感覚である。

 

 

さて、もう1人。

前述の好投手の条件を満たせそうな投手がいる。

今日の試合4番手で登板した橋本侑樹投手だ。

 

左腕から145キロがコンスタントに出るストレート

左打者が腰を引いて避ける程のキレを誇るスライダー。

 

しかし、ドラフト当時、橋本投手の大学時代のピッチング動画を見ていて、一番印象的だった球種はこの2つではない

 

それは、今日の試合最後の打者を空振り三振に仕留めた球種、チェンジアップである。

 

指の握りを確認していないため、もしかしたらフォークボールなのかもしれないが、いずれにせよ右打者に対して逃げながら落ちて行くボールである。

 

プロに入ってからは、あまり試合で投げておらず、精度を確認できていなかったが、最後に素晴らしいボールを見ることができた。

 

まだ1球しか確認できていないため、自在に操るレベルには達していないかもしれない。

 

さらなる確認は、シーズンでの楽しみにしておこう。

 

橋本侑樹投手。

この投手も磨けば光る宝石の香りがする。