結果は2-2で引き分け。
ビシエド選手が受けたデッドボールには思わず声が出ましたが、取り敢えず大きな怪我にはなっていないようで一安心です。
■主演選手賞
該当なし
■助演選手賞
阿部 寿樹 選手
昨シーズン5勝中3勝をドラゴンズ戦で挙げている『ハマのドラゴンキラー』ことベイスターズ先発平良投手。
他の球団がどう打ち崩しているのか、全く持って理解できないほどの好投手だが、今日は阿部選手がそのお手本を見せてくれた。
第1打席・第2打席で見事に逆方向のライト前へヒット。
平良投手の特徴は、サイドハンドからの独特の軌道のストレート・変化球を、コーナーに投げ分けてくるところにある。
ストレートの球速はそれほどないが、その分変化球との球速差が少なく、ストレートと思って振ったらスライダーだった、又はその逆、というような空振りが非常に多い。
やはりこの手の投手には、ボールを長く見てセンターから逆方向が有効なのであろう。
初回の遠藤選手のツーベースをはじめ、今日平良投手から放った5安打のうち4安打がセンターから逆方向であった。
結果1得点であったが、少なくとも昨シーズンよりは平良投手の球を各選手捉えることができていた。
チームとして意識して取り組んでいたのが伺える内容であった。
阿部選手は6回にも同点につながる四球を選び、今日は3出塁。
開幕直前になって調子を上げてきたようだ。
■助演選手賞
梅津 晃大 投手
最速152キロのストレートを軸に、5回1失点の素晴らしい内容。
前回のライオンズ戦と同様、スライダーのコントロールが多少甘かったが、それでも5者連続三振を奪うなど申し分のない内容。
本人の試合後のコメント曰く、普段は「変化球の方が得意」ということだ。
ここから更にスライダーの精度が上がると思うと、恐ろしい投手である。
余談だが、筆者は好投手の条件として、ストレートの他に2種類の変化球を自在に操れることが必要だと考えている。
梅津投手は、ストレート・スライダー・フォークボール。
この3つの球種を自在に操ることができ、その質も素晴らしい。
ドラゴンズの、いや日本球界のエースになれる器がここにいる。
まだ結果は残していない原石だが、その原石からは光が溢れ出し、磨く前から中身が宝石であることは明らかだ。
さらに、今日ファンを魅了したのは、2回裏同点のチャンスで打席に立った梅津投手である。
前の打者である加藤捕手の打席が恥ずかしくなるくらい、練習試合にも関わらず得点に執着する素晴らしい打席を見せてくれた。
結果はライトゴロであったが、決して打撃が得意そうではないスイングで、ボール球をしっかり見極め、フルカウントまで粘りライト前へ。
誰よりも勝利にこだわる姿勢を、ファンにも首脳陣にも見せてくれた。
梅津投手が登板する試合は、攻撃より守備の方が見ていて楽しい。
これは久々の感覚である。
さて、もう1人。
前述の好投手の条件を満たせそうな投手がいる。
今日の試合4番手で登板した橋本侑樹投手だ。
左腕から145キロがコンスタントに出るストレート。
左打者が腰を引いて避ける程のキレを誇るスライダー。
しかし、ドラフト当時、橋本投手の大学時代のピッチング動画を見ていて、一番印象的だった球種はこの2つではない。
それは、今日の試合最後の打者を空振り三振に仕留めた球種、チェンジアップである。
指の握りを確認していないため、もしかしたらフォークボールなのかもしれないが、いずれにせよ右打者に対して逃げながら落ちて行くボールである。
プロに入ってからは、あまり試合で投げておらず、精度を確認できていなかったが、最後に素晴らしいボールを見ることができた。
まだ1球しか確認できていないため、自在に操るレベルには達していないかもしれない。
さらなる確認は、シーズンでの楽しみにしておこう。
橋本侑樹投手。
この投手も磨けば光る宝石の香りがする。