前回「石橋康太の現在地」にて、ドラゴンズ捕手陣の評価分析を行ってみた。
それを踏まえ今回は、今シーズンのドラゴンズがどのように捕手を起用していくべきかを考えていきたい。
オープン戦の段階では、首脳陣も各捕手の実力は横並びだと話しており、開幕してしばらくは、日替わりで起用されることになりそうだ。
スタメンが日替わりというだけでなく、ゲーム途中の捕手交代も頻繁に見られそうだ。
具体的には以下のような交代が推測される。
■加藤スタメンの場合の交代パターン
・勝っている試合:試合終了まで加藤 or 途中から守備型の木下
・負けている試合:途中から打撃型の郡司
■木下スタメンの場合
・勝っている試合:試合終了まで木下
・負けている試合:途中から打撃型の郡司
■郡司スタメンの場合
・勝っている試合:途中から守備型の木下
・負けている試合:試合終了まで郡司
捕手陣の実力が拮抗しているので、シーズン序盤の起用法としては日替わりでも仕方がない。
その中でスタメン起用が一番多くなるのは、昨シーズンの実績がある加藤になるだろう。
ポイントは、序盤(30試合程度)加藤を中心に起用していった結果、加藤の成績及びそれに伴うチームの成績が悪かった場合、首脳陣が加藤を見切れるかどうかである。
もっと言えば、昨シーズンからの成長・来シーズンへの伸びしろを含め、加藤がドラゴンズの正捕手として相応しいかを見極めなければならない。
判断するまでに残された時間は短い。
以前ブログに記載したことがあるが、与田・伊東体制3年契約において、3年目になっても正捕手を確立できないということは許されない。
例えその選択が間違っていても、である。
伊東ヘッドは過去の実績から、ある程度覚悟をもって正捕手を決めに行くことができるコーチである。
そのためには最終年である来シーズン、ドラゴンズは大半の試合を任せられる正捕手を1人に定め、開幕を迎えなくてはならない。
もちろん、今シーズン序盤の起用で加藤が良い活躍を見せ、首脳陣を納得させることができれば、加藤を正捕手に据えるべきである。
元来そのために昨シーズンは加藤を中心に起用したはずである。
昨シーズン、加藤もそれに応えて大きく成長した。
但し、今シーズンスタートから正捕手を任せられる評価を得るまでには、残念ながら至らなかった。
個人的には、今シーズン序盤の起用で加藤が首脳陣を納得させることは難しいように思う。
守備力の伸びしろはある程度感じるものの、攻撃力の成長イメージが湧かないからである。
残酷な言い方だが、加藤へのチャンスは30試合で良い。
加藤にするのか、加藤以外にするのか。
首脳陣には、シーズン序盤に明確な判断をくだしてほしい。
もしかしたら、加藤を見切った後、加藤の起用が最適と思われる試合もあるかもしれない。
しかし、その1試合のために捕手を日替わりしていたら、正捕手は育たない。
目先の試合を勝ちにいった結果の、7年連続Bクラスということを忘れないようにしたい。
京田を我慢して使い続けた森監督は、その部分において、素晴らしかった。
失うものがない今のドラゴンズだからできる起用方である。
さて、ここからはシーズン中盤以降の捕手に関してであるが、加藤を見切った場合には、まず郡司を起用してもらいたい。
加藤が見切られ木下が抑え捕手の役割となると、正捕手争いは郡司と石橋の一騎討ちである。
郡司を起用してもらいたいのは、ルーキーであり未知数な部分が多いからである。
また、守備力に不安のある郡司だけに、抑え捕手の役割として木下の途中出場も増えるだろう。
郡司がアピールに成功し、シーズンを通してマスクをかぶり続けることができたら、来シーズンの正捕手は郡司に決まりである。
2軍スタートの石橋からすると、先に郡司に活躍されてしまったらノーチャンスの可能性がある。
但し、そう簡単にはいかないだろう。
郡司が期待以上の活躍をしたとしても、シーズン終盤、必ず疲れは来る。
その時に、満を持して2軍から上がってくるのが、石橋であろう。
石橋からすると、シーズンの大部分を過ごすであろう2軍で、他を納得させる成績を残し、かつ1軍に呼ばれたタイミングで、郡司以上の結果・伸びしろを示すことができるか。
石橋の正捕手奪取は、この部分にかかっている。
郡司と石橋。
来シーズン終了後に、どちらかが正捕手として独り立ちすることを期待したい。
そのためには今シーズン、首脳陣の非情な判断が必要である。