今回は、前回に引き続き、石橋康太捕手の現在地について書く。
前回は前編として、主にドラゴンズの捕手陣の立ち位置を理解することを行った。
対象とした捕手、加藤・木下・郡司・石橋の4人の各採点は以下の通りである。
■ 加藤
守備:14点
キャッチング:3点 スローイング:5点
ブロッキング:3点 信頼:3点
攻撃:2点
合計:16点
■ 木下
守備:13点
キャッチング:4点 スローイング:3点
ブロッキング:4点 信頼:2点
攻撃:2点
合計:15点
■ 郡司
守備:6点
キャッチング:1点 スローイング:2点
ブロッキング:2点 信頼:1点
攻撃:8点
合計:14点
■ 石橋
守備:11点
キャッチング:3点 スローイング:4点
ブロッキング:2点 信頼:2点
攻撃:2点
合計:13点
さて、本題の石橋捕手の能力と評価だが、最も優れている要素は、採点の通りスローイングにありそうだ。
肩が強い。それでいて送球も正確である。
その点は加藤に次いで安心して見ていられる。
また、キャッチングも上手い。
捕球したミットを動かさない技術、いわゆるフレーミングの要素も含めて、チームでは木下に次いで2番目、加藤より少し上のレベルにある。
採点が3点なのは、稀にストライクの球をポロポロするからである。
この辺は加藤も一緒である。
次に攻撃面だが、2軍では昨年広いナゴヤ球場でホームランを放つなど、高校通算57本塁打のパワーを見せているが、1軍ではまだまだ通用しないと思われる。
昨年も1軍でヒットは打ったものの、自分のバッティングは全くさせてもらえなかった。
とんでもないボール球を振る場面も見られた。
採点は2点であるが、加藤も木下も一緒の2点である。
皆揃って、とんでもないボール球を振るのである。
この採点の通り、現状石橋の評価は恐らく上から4番目である。
ということは、怪我人でも出ない限り、今シーズンのスタートは2軍が濃厚だ。
まずここが石橋康太のチームにおける現在地である。
一方で、石橋康太のプレイヤー人生における現時点での立ち位置はどのあたりであろうか?
石橋捕手の成長曲線をイメージし、近い未来を描いてみたいと思う。
まず目先の目標としてもらいたいのが、来シーズンの正捕手奪取である。
今シーズン、首脳陣が捕手をどのように起用するかについては、次回のブログにて記載しようと思うが、3年契約の与田監督・伊東ヘッド体制において最終年である来シーズン、正捕手が決まりませんでした。なんてことがあろうか?
例え失敗したとしても、誰かが正捕手を託される、それが来シーズンである。
つまり、今シーズンのアピール次第では、来シーズン石橋が正捕手を掴んでもおかしくない。
では、今シーズン石橋は特にどの能力を磨き、何を首脳陣にアピールしていけば良いか。
私は大きく二つあると考えている。
一つ目は、バランス型の捕手能力である。
現状のドラゴンズの捕手は、皆、能力が偏っている。
守備力の木下、攻撃力の郡司はもちろんだが、前回のブログ冒頭で総合力の加藤という記載をしたが、加藤は合計点が高いという意味の総合型であり、決して攻守のバランスがとれているわけではない。
採点の通り、守備の点数に偏った捕手である。
石橋も現状は守備力のが評価されているように感じるが、打撃も潜在能力は高いと思われる。
来シーズンまでに加藤の合計16点を超えるのは困難かもしれないが、加藤の攻撃2点を上回り、加藤よりバランスの良い捕手であることを印象付けられれば、出番は自ずと増えるはずだ。
そういった意味では打撃評価の向上は必須である。
もっと言えば、石橋にはその道しかない。
来シーズン、石橋が木下の代りに抑え捕手の役割を担うことがイメージできるか?
郡司の代りに代打起用されることがイメージできるか?
正直なかなか想像し難い。
やはりイメージできるのはスタメン捕手。
当面のライバルは加藤である。
二つ目は、伸び代を見せつけることだ。
正捕手となると、採点上最低でも20点は得ていたい。しかし、来シーズンまでに石橋が20点を獲得するのは難しい。
ただ、前述したように、来シーズン首脳陣は正捕手を決めに来る可能性が高く、20点の評価に達している選手がいない場合、その基準は、伸び代を含めて将来的に20点に到達可能な選手か、になると思われる。
そうなると、年齢や実績から伸び代の点数としては1〜2点程しか見込めない加藤・木下に比べ、郡司と石橋はまだまだ読みきれない程の伸び代がある。
この選手は使えば伸びる。
昨シーズンから明らかに成長した。
2回同じ失敗をしない。
このような言葉をもらえれば、選手の伸び代の評価は高まっていると言えるであろう。
オープン戦を見る限り、今シーズンも必ず1軍での出番がある。
バランスと伸び代、この二つを存分にアピールできれば、加藤は間違いなく未来の正捕手に近づけるはずだ。
少し長くなったが、生粋の捕手である石橋康太。
将来はこんな点数の捕手になり、ドラゴンズを末長く支えて欲しい。
■ 石橋
守備:18点
キャッチング:5点 スローイング:4点
ブロッキング:4点 信頼:5点
攻撃:7点
合計:25点