夢でも信じ難いストーリー
今や、ジャイアンツが獲得したウィーラー選手の10倍のニュースが流れる男。
アリエル・マルティネス選手についての記事を書いたのが、たった1週間前のことだとは筆者自身でも信じ難い。
その時の記事はこちら↓↓
当然ながら、第三者の筆者が意見をブログとして書くのと、実際に首脳陣・フロントが『大抜擢』するのとでは、難易度が全く異なる。
この『大抜擢』を、先週1週間で成し遂げた首脳陣・フロントの功績は計り知れない。
伸び行く選手の足枷を外し、自由に生き生きとグラウンドに送り出す。
選手起用には比較的『固い』与田監督が、『勇気を持って使った』と話す昨日の大胆なスタメン起用は、良くも悪くも固定化していたチームに『刺激』と『変化』を及ぼした。
それにしても、アリエル・マルティネス選手は激動の1週間を過ごした。
7月1日(水):支配下登録
7月3日(金):1軍昇格、即初出場
7月4日(土):初ヒット&盗塁阻止
7月5日(日):初スタメン&猛打賞
アルモンテ選手の負傷離脱のタイミングも重なり、あれよあれよという間に1軍のスタメン捕手を務めるという、夢でも信じ難いストーリー。
本人の起用に応える活躍はもちろん一番素晴らしいが、7月1日に支配下登録を行った球団の決断が、このサクセスストーリーを生んだ。
もしも、7月1日に支配下登録されていなかったら。
もしも、7月3日に外国人枠が空いていなかったら。
偶然にも、あらゆる条件が見事に揃った、夢でも信じ難いストーリーであった。
アリエル・マルティネス選手が本当に1軍で通用するかどうかは、来週以降の試合で分かってくるはずだ。
物語の続きを、楽しみながら見守りたい。
さて、先週のドラゴンズは4勝2敗で勝ち越し。
その2敗についても、大野投手の好投・新戦力の筋トレ(アリエルマルティネス選手・溝脇選手)・吉見投手の2軍降格と、シーズン全体を通すと意味のある敗戦。
アルモンテ選手の怪我という衝撃的なニュースがありながら、『怪我の功名』ともいえるアリエル・マルティネス選手の大活躍で、非常に実りの多い週となった。
今日は、今週の選手起用を占う意味でも、先週1軍登録を抹消された郡司選手と吉見選手に代わる1軍昇格選手を予想してみたい。
(アルモンテ選手登録抹消の代わりは、アリエル・マルティネス選手が昇格済み)
① 勝野 昌慶 投手
昨日のウエスタン・リーグ対タイガース戦で、4回1/3を投げ被安打2の無失点。
2試合に投げ防御率0.96と安定した成績を残す2年目勝野投手。
吉見投手に代わり、土曜日の対カープ戦で今シーズンの初先発が濃厚だ。
恐らくは、逆算して中6日となる一昨日の対タイガース戦に登板予定だったのだろう。
雨で中止となったため、逆算して中5日となる昨日の試合では、疲れを残さないために中途半端なイニング途中での交代となった。
勝野投手といえば、昨シーズンプロ初勝利を飾った対スワローズ戦。
6回2/3を1失点に抑える投球は、当時まだ梅津投手が登板していなかったということもあり、久々の右の本格派エース候補の誕生に随分とワクワクしたのを記憶している。
その後、コンディション不良で思うような結果を残せなかったものの、昨シーズンの投球内容からすると、自分の投球ができれば1軍でも十分通用する実力の持ち主だ。
梅津投手との『未来のWエース』誕生に向けて、チャンスをものにしてもらいたい。
なお、1軍へは登板当日に昇格するはずだ。
② 石垣 雅海 選手
現状の1軍控え野手の状況を確認すると、内野手2人(溝脇・石川)、外野手4人(武田・遠藤・渡辺・井領)であることから、1軍に昇格するのは内野手であると推測できる。
とすれば、ウエスタン・リーグで打率ランキング2位の.346を記録する石垣選手の昇格が有力だ。
石垣選手といえば、今シーズンキャンプ前に珍しく与田監督が「期待する選手」として直々に名前をあげた選手。
ところが、キャンプ・オープン戦では、昨シーズン見られた豪快な打撃は影を潜め、最後まで1軍に昇格することさえできなかった。
それが、プロ野球再開後の練習試合から打撃が本調子を取り戻し、守備でもファースト・ショートと、本職のサード以外でも持ち味の野性味あふれる豪快な守備を披露。
練習試合の中で、膝をついた状態でショートから1塁へ送球した場面があったが、メジャーリーガーのような夢のある強肩に筆者も驚いた。
まだまだ確実性は備わっていないものの、外野も守れるユーティリティープレイヤーとしても価値は高い。
首脳陣が、次に『勇気を持って』起用するプレイヤーは、石垣選手なのかもしれない。
与えられたチャンスで、しっかりと持ち味を発揮したい。
一点気になるのが、今日の公示でも鈴木博志投手の登録が抹消されなかったことだ。
首脳陣はどんな場面での起用を想定しているのだろうか。
もう後がないことは確かだと思うが、鈴木博志投手が担うはずの「負けている試合のロングリリーフ要因」の補充のために、野手の1軍枠が1つ削られることも否定はできない。
仮に補充したいのであれば、鈴木博志投手と入れ替えるべきである。
明日の1軍昇格選手が野手の石垣選手であることを期待したい。