春季キャンプ 総括
明日からは早くもオープン戦がスタートする怒涛のスケジュールの中で、一旦春季キャンプの総括を行いたい。
総括する項目は、筆者がオフシーズンに整理した今シーズンのドラゴンズの課題3つである。上から課題が大きい順に以下の通りだ。
① 得点力不足
② 勝ちパターン投手が少ない
③ 先発投手陣の力不足
<課題整理の記事はこちら↓↓>
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まずは、課題① 得点力不足だが、春季キャンプでの評価は「✖️」。
根尾選手や岡林選手など、良いアピールをした若手野手はいたのだが、「レギュラーを脅かす」・「代打の切り札になり得る」など、シーズンの得点力に直結するような強烈アピールに成功した選手は残念ながら、いなかった。
物足りなかったのは、若手野手よりも中堅野手だろう。井領選手・武田選手・加藤選手・溝脇選手あたりがレギュラーを奪いにいく筆頭候補のはずだが、「控え野手」以上の存在感を見せることはできなかった。
そうなると、頼らざるを得ないのは現スタメン陣と新加入の外国人選手・福留選手になるのだが、これらの選手の状況はキャンプの段階では判断できない。
現状のところ、今年も得点力不足には悩まされそうである。
シーズン開幕前の起爆剤は、1つだけある。
それは、「レフトにアリエル・マルティネスを起用」である。
しかし、これも練習時間が少ない。今週後半には2週間の隔離期間が終わり合流する予定のアリエル選手。チームの起用方針が今後を大きく左右しそうだ。
続いて、課題② 勝ちパターン投手が少ないだが、こちらの評価は「○」。
キャンプを通じて、中継ぎ投手陣の安定した活躍が目立った。
昨年からの好調を維持しながらダルビッシュ投手直伝のチェンジアップ習得に励む又吉投手。
2軍スタートながら、練習試合で結果・内容ともに抜群の三ツ間投手。
昨年の雪辱に燃え、安定した投球フォームを取り戻しつつある岡田投手。
内容に苦しみながらも、キャンプ最終登板対ジャイアンツ戦で突如抜け球がなくなった藤嶋投手。
腕を下げコントロールが安定、ひとつ階段を登った感のある鈴木博志投手。
その他にも、実績のある祖父江投手・福投手・谷元投手が順調な調整を続け、ルーキーの森投手もオープン戦からのアピールを狙える段階にきている。
現段階では、これ以上ない調整が出来ているといっても過言では無い中継ぎ投手陣。
過去2年間で勝ちパターンを構築してきたさすがの与田政権である。
そして、最後は③ 先発投手陣の力不足に関してだが、こちらは「△」の評価。
まずは、例年であれば肩・肘の故障などで先発候補が数人欠けているのだが(昨年はロメロ投手の故障があった)、今年はここまで大きな故障者が出ていない。そのため、先発候補の数が揃っているのはプラス材料だ。
開幕ローテーション争いを、大野・福谷・柳・ジャリエルを確定とした残り2枠を争う構図、と筆者はみているが、そこに7人(勝野・松葉・小笠原・清水・山本・岡野・笠原)が名乗りをあげている。さらに今後、2軍から梅津投手が参戦してくるかもしれない。
キャンプ中の投球内容を考えると、小笠原投手・清水投手は首脳陣の評価を上げただろう。両投手ともにストレートの威力が高まっている。
しかし、その他の5投手については、イーブンかやや評価を下げている印象だ。
そのため、全体的には「△」の評価としている。この中から、今後のオープン戦で突出した投球内容を見せてくれる投手が現れることを期待しよう。
最後に、他球団ではあるが驚いたニュースとして、ジャイアンツ田口投手とスワローズ廣岡選手のトレードが発表された。
廣岡選手は、高卒23才の内外野守れる長打力が魅力のプロスペクトとして、ドラゴンズでいうと石垣選手を連想させる(1軍での実績は廣岡選手の方が上だが)。
仮に石垣選手がトレードでセ・リーグの他球団に行くと思うと・・・気分が悪くなる。
トレードの損得は別問題として、スワローズファンの胸中が思いやられる。