苦境の2016年ドラフト組
2020/10/30 対広島カープ
結果は3-17でドラゴンズの大敗。
ドラゴンズ、近年のドラフト最高傑作といえば、2016年ドラフト組を思い浮かべる方も少なく無いだろう。
昨年二桁勝利をあげた右のエース格、ドラフト1位の柳裕也。
新人王を獲得して以降ショートのレギュラーを守り続ける、ドラフト2位の京田陽太。
1軍での活躍はこれからだが身体能力の高さから将来の飛躍が期待される、ドラフト3位の石垣雅海。
2018年に6勝をあげ2019年には開幕投手を務めた、ドラフト4位の笠原祥太郎。
高卒ながら1軍のブルペンを支え昨シーズンは21試合連続無失点の快投を披露した、ドラフト5位の藤嶋健人。
6位の丸山泰資こそ怪我に苦しんでいるが、指名された6人中4人が既に1軍の中心メンバーとして活躍した実績があるこのドラフト会議は、間違いなく成功といえる指名である。
そんな2016年から4年が経過した今年、各選手が苦境に立たされている。
柳投手は期待された役割を果たせず、京田選手は向上しない打撃が打線を分断し続けている。石垣選手は飛躍の翼を折られ飛ぶことができず、笠原投手は一度も1軍に合流できていない。
そんな中でも昨シーズンからのパフォーマンスの落ち具合でいえば、今日の試合2被弾を浴びた藤嶋投手が筆頭であろう。
昨シーズン、打者を尽く差し込んでいたストレートが、完璧に捉えられている。独特のフォームに打者が慣れてきたというよりは、問題は自分自身にあるように思う。
『ドラフトの評価は5年経たないと分からない』とは、主に素材型の選手が成長していく期間を想定したものだと思うが、一度花開いたはずの2016年ドラフト組の評価は、ここにきて間違いなく低下してきている。
来年でちょうど5年目を迎える選手たち。蕾に戻ってしまった花を、もう一度大きく開くことができるのか。来シーズンは2016年組にかかっている。
■主演選手賞
該当なし
■助演選手賞
大島 洋平 選手
4回表にカープペースの流れを断ち切るファインプレー。走り出す2塁走者の姿が見えていたのだろう。異次元の加速でポテンヒットを許さなかった。
また、その直後には先頭打者として出塁。阿部選手の同点本塁打を呼び込んだ。
■助演選手賞
アリエル・マルティネス 選手
戻ってきたアリエルが、一時逆転となるツーベース。来シーズン、中途半端な新外国人を補強するのであれば、アリエル選手に外野守備を叩き込む方が意味のある補強になる。
谷元 圭介 投手
『神話への守護神』も、神話にはなれなかった。
勝ちパターンで起用すべき投手ではないのだが、今シーズンの実績と最近の投球内容から、谷元投手以外に7回を任せる投手がいない。
ここまで幾つもの火を消してきた谷元投手を、今日の1試合で責める訳にはいかない。
さて、ジャイアンツが優勝しそうだ。
目を逸らさずに、優勝シーンを悔しさと一緒に心に刻み付けることが、ファンの務めだ。