宮崎フェニックスリーグ
2020/11/8 対日本ハムファイターズ(0-3敗戦)
若手選手の登竜門、宮崎フェニックスリーグが今日開幕を迎えた。ドラゴンズの初戦はファイターズ、普段は観る機会のないイースタン・リーグの選手を観ることができるのも、フェニックスリーグの一つの魅力だ。
ファイターズのスタメンには、清宮選手や野村佑希選手といった若手の注目株や、ドラフト時にドラゴンズの指名候補として名前のあがっていた上野選手(京都国際高校・2019年ドラフト3位)など、プロ入り後初めてプレーを観る選手たちの名前が並んでいた。
一方のドラゴンズは、石川昂弥選手や石橋選手がコンディション不良のため不参加、根尾選手が1軍合流中ということで、少々物足りないメンバーで臨んでいるが、この中から1人でも多く来シーズンの戦力として活躍できる選手が現れたら嬉しい限りだ。
それでは、今日の試合で注目した選手について、簡単にコメントしよう。
小笠原慎之介投手
今シーズン1軍では全くと言っていいほど活躍出来なかった小笠原投手。今日の登板も残念ながら大きく印象は変わらなかった。
変化球は良い。カーブもチェンジアップも2軍ではなかなか打たれないだろう。コントロールもキレも素晴らしかった。
問題はシーズン中と変わらずストレートである。今日のストレートはほぼ狙ったコースより右打者のインコース方向に流れてしまっていた。
右打者のインコースに投じたストレートが2回死球になり、右打者のアウトコースはど真ん中に集まる。一番致命的なのが左打者のインコース。捕手の構え通りに全く投げる事ができず、総じてど真ん中からアウトコースへの逆球となっていた。唯一、左打者へのアウトコースだけは捕手の構え通りに投げ切れていた印象だ。
逆球になっても2軍の打者が相手なので力で抑えることもできていたが、痛烈なヒットも沢山浴びている。
結果は6回1失点であったが、これが1軍であれば6回3被弾5失点くらいの内容であろう。小笠原投手に求めるレベルはまだまだ上にある。
濱田達郎投手
腕を下げ、左投げサイドスローとして臨んだ今シーズンの濱田投手。一時1軍に昇格したものの、戦力になることはできず、崖っぷちにいる状態が続いている。
チームとしては貴重な中継ぎ左腕として期待は大きいのだが、今日も期待に応える投球を見せることはできず。
自らの四球も絡んでの1回2失点。コントロールと球のキレ、どちらも無いのは少し厳しい。
垣越建伸投手
今年が2年目のシーズンとなる2018年ドラフト5位入団の垣越投手。まず喜ぶべき事は、投げるシーンが観られたことだ。
昨年のフェニックスリーグで、安定したコントロールの上に140キロ中盤〜後半のストレートを披露し、今シーズンの飛躍を期待させてくれた若き左腕。
しかし、今春のキャンプで肩を痛めて離脱。今シーズンだけでなく来シーズンも投げる事ができないのではないかと心配をしていた。
先月のドラフト会議で高卒投手を数多く指名したのも、この垣越投手や同じく高卒の竹内投手(2019年ドラフト6位)の怪我の状態がおもわしくないのが理由ではないかと疑っていた程だ。
その垣越投手が今日の試合で復帰登板。何よりも無事に投球していたことが素晴らしかった。
投球内容についても、先頭に四球を与えた後は後続を三者連続三振。スピード表示がなかったので球速は分からなかったが、ストレートもスライダーもチェンジアップも、今日投げた3投手の中では最もコントロールが良く、捕手の構え通りにビシビシ決めていた。
投球フォームは昨年のフェニックスリーグの方が良かったと思うが、まだ復帰初戦である。まずは怪我の再発を避けながら、ステップアップを目指してもらいたい。
偶然にも、同じプロ2年目の左腕・ジャイアンツ横川投手(大阪桐蔭高校)が今日の1軍戦でプロ初登板。5回1失点の好投は垣越投手にも良い刺激となるだろう。
さて、今日の試合はドラゴンズのウィークポイントである左投手が3人登板した。その他にも、岡田投手や笠原投手・橋本投手など今シーズン実力を発揮出来たとは言い難い左投手たちが、来シーズンは1軍の戦力として活躍できるのか。
今日の試合に限り、その可能性を一番感じたのは、プロ2年目の左腕・垣越建伸投手であった。