6月19日に設定されたプロ野球開幕戦に向けて、いよいよ野球ムードが盛り上がってきた。
ドラゴンズも紅白戦が行われ、6月2日からは練習試合が開始される。
練習試合の日程は2週間で12試合、ドラゴンズの対戦相手はヤクルト・西武・ロッテ・DeNAである。
例年にはない特殊な時期に行われるこの練習試合。
各球団、選手の起用法としては、主力選手の調整が9割・新たな選手の競争が1割であろう。
まずはレギュラークラスのコンディションを上げていくことが最優先である。
そんな中、数少ない競争を巻き起こすであろう「遅れてきた男たち」に注目したい。
まずは、特に調整が重視されそうな先発投手陣。
練習試合が12試合ということで、ローテーション6投手が2試合ずつ先発することが予想される。
阿波野投手コーチが開幕延期後に明かした幻の開幕ローテーションは、順番に大野投手・山本投手・小笠原投手・柳投手・岡野投手・吉見投手であった。
怪我でもない限り、練習試合もこの6投手が先発を任される可能性が高い。
そして例え1試合打ち込まれたとしても、休み明けによる実戦不足が理由となる。
従って2試合目も登板するであろうし、余程のことがない限り、他の先発投手にチャンスはない。
例外は唯一人。
「遅れてきた男」梅津晃大投手である。
開幕ローテーション当確の実力者でありながら、キャンプ終盤の右肘の張りのため、幻の開幕ローテーションを外れた梅津投手。
幸いにも、延期期間中に体調が万全になっており、12試合の中でチャンスを与えられる可能性が高い。
結果によっては逆転での開幕ローテ入りもありそうだ。
いや、もう少し踏み込んで書こう。
投げているボールからすると、梅津投手の開幕ローテ入りは確定と言って良いだろう。
紅白戦でも150キロ超を記録。
試合後のコメントでも、昨シーズン終盤よりも状態が良いという頼もしいコメント。
閉幕一軍という昨シーズンの目標を有言実行した梅津投手。自己の状態を客観的に分析できる梅津投手のこのコメントは非常に期待が持てる。
従って、実質の開幕ローテーション争いは、2枠を山本投手・吉見投手・岡野投手で争うことになりそうだ。(小笠原投手も当確だとみている。)
この中から一体誰が脱落するのか。
練習試合に注目したい。
次に、中継ぎ・抑え投手陣である。
紅白戦2試合で登板した投手は全部で9投手。
右腕の又吉投手・祖父江投手・鈴木博志投手・藤嶋投手。
左腕の橋本投手・ゴンザレス投手・福投手・岡田投手。
ここまではオープン戦を一軍で過ごした投手たち。
練習試合でも一定の登板機会は自動的に与えられるだろう。
そこに割って入る投手が一人。
本日の紅白戦で登板した「遅れてきた男」R・マルティネス投手である。
キューバ代表としての五輪予選が延期となり、不在が予定されていた開幕の離脱がなくなった。
実力・実績ともに申し分なく、開幕一軍が濃厚である。
紅白戦でも早速155キロの豪速球を投じていた。コンディションも問題なさそうだ。
開幕一軍枠を拡大する特別ルールが模索されているため、昨シーズンの開幕一軍人数(8人)よりも枠は多いかもしれないが、例年であれば上記9人から1人が脱落することになる。
当落線上は、祖父江投手・鈴木博志投手あたりか。
また、R・マルティネス投手の存在は守護神争いも激化させる。
岡田投手が当確と目されていたが、果たしてどうなるか。
最後に、野手陣である。
こちらの最注目は、
「遅れてきた男」アルモンテ選手である。
昨年からの怪我の影響で、オープン戦終盤になっても一軍に昇格してこなかったアルモンテ選手。
コンディションを心配していたが、紅白戦にスタメン出場。見事ホームランを放つなど早速存在感をアピールしている。
アルモンテ選手は、選手層の薄いドラゴンズ野手陣の中で、レギュラーと遜色ない実力を持つ数少ない選手である。
レフトのスタメンを巡って、福田選手との熾烈なポジション争いが見られそうだ。
先発ローテーションの一角、梅津投手。
守護神、R・マルティネス投手。
開幕延期の追い風はドラゴンズに吹いている。
開幕まで12試合。
この追い風を感じ、新たな離脱者が出ないよう注意しながら、開幕を迎えてほしい。