前編に引き続き、例年とは異なるという意味で、シーズンの成績に影響を与えそうな5つの要素を検証していく。
① 選手や首脳陣にコロナ感染リスクがあること
② 試合数が少ないこと(120試合)
③ 交流戦がないこと
④ 敵地又は本拠地での大型連戦があること(移動を少なくする目的)
⑤ 当分は無観客試合で開催されること
続いては、
④ 敵地又は本拠地での大型連戦があること(移動を少なくする目的)
についてである。
具体的には、ドラゴンズの場合を例にとると、関東に遠征した際は、巨人・横浜・ヤクルトとのアウェイゲームが連続で組まれる可能性がある。
まさに地獄の9連戦である。
逆に、3カード連続ナゴヤでの本拠地開催も可能性がありそうだ。
本拠地での連戦はどのチームも問題ないであろう。
問題は敵地での連戦である。
敵地での連戦の際に、大型連敗だけはなんとしても避けなくてはならない。
キーとなるのは、連敗ストッパーとなる先発ローテーションの軸「表と裏のエース」である。
ということで、主観的に他チームの「表と裏のエース」を想定し、点数を付けてみた。
名前を記している投手は、各チーム昨年の規定投球回到達投手である。
阪神:+1点(西と青柳。そもそも毎年「死のロード」を経験しているチームである。)
広島:+1点(大瀬良とジョンソン)
中日:+1点(大野と柳)
横浜:±0点(今永のみ)
ヤクルト:±0点(小川のみ)
巨人:-1点(移籍した山口のみ)
近年、各球団に多い大型連敗。今シーズンは更なる注意が必要だ。
ドラゴンズについては、昨シーズンの「連敗ストッパー」柳投手の活躍が鍵となりそうだ。
最後に、
⑤ 当分は無観客試合で開催されること
という点である。
この点については、私が個人的に感じる、各球場の声援から感じる圧力で点数をつけてみる。
阪神:+1点(味方へのヤジがなくなり逆に阪神にメリットとなる皮肉)
巨人、中日、ヤクルト:±0点(声援による圧力はそこまで感じない)
横浜、広島:-1点(声援による圧力が凄まじい)
ちなみに、ドラゴンズが内弁慶なのは、相手に与える声援の圧力よりもナゴヤドームの特殊性にあると理解している。
さて、それぞれ5つの要素について点数を付けてみた。
各要素によってチームに与える影響は大小様々であるため、点数を足し合わせても単純な比較はできないが、分かりやすさのために合計点を確認してみる。
巨人:-2点
横浜:-1点
阪神:+4点
広島:+2点
中日:-1点
ヤクルト:-2点
このような結果となった。
なんとなく想像はできたが、「無観客となった阪神」・「交流戦のなくなった広島」には特に注意が必要なシーズンとなりそうだ。
ドラゴンズは良くも悪くも大きなに影響はなさそうだが、やはり「選手層の薄さ」は気になるところである。
ところで、この5つの要素の中で、圧倒的に重要な要素が一つある。
それは、
① 選手や首脳陣にコロナ感染リスクがあること
である。
いわゆるクラスターがチーム内で発生し、主力選手が複数同時離脱する事態になると、例え「無観客となった阪神」でも「交流戦のなくなった広島」でも、勝ち星を積み重ねるのは難しい。
つまり今シーズンは、「コロナを制する者が試合を制す」という野球以外の要素がシーズンを大きく左右する可能性がある。
コロナ感染には対策が可能であるという意味で、球団・首脳陣・選手がこの野球以外の要素の重要性にどの程度重きを置いているか。
例年とは違う意味で、チーム全体の意識が問われる1年となりそうだ。