2020/8/1 対東京ヤクルトスワローズ
ナゴヤドームでの対スワローズ第2戦。
結果は3-1でドラゴンズの勝利。
■主演選手賞
勝野 昌慶 投手
今日のヒーローは、なんと言っても8回1失点の素晴らしい投球を披露した先発の勝野投手。
ストレートの威力、フォークの切れ、ブレーキの効いたカーブ。
そして無四球という文句のないコントロール。
これまでのドラゴンズ戦、バットを振ればヒットを放っていたスワローズ打線の切り込み隊長、坂口選手を1度も出塁させない見事な内容。
ハイライトは1対1の同点で迎えた6回表。
2死2塁のピンチでスワローズのバッターは前の打席タイムリーを放っている二十歳の“怪物”村上選手。
前日は大野投手の直球をライトスタンドへ。
『もう投げる球がないだろう』と、筆者は“怪物”の打ち損じを願うしかなかった。
しかし、ドラゴンズバッテリーはそんな弱気ではなかった。
タイミングを外したカーブで2ストライクと追い込むと、そこからは強気にインコースを責め続ける。
最後は今日最速、渾身の150キロストレートで空振り三振。
18人のプレイヤーと複雑なルールの上に成り立つ『野球』というスポーツだが、その根幹は投手と打者の1対1の真剣勝負。
二十歳の“怪物“に真っ向勝負を挑んだドラゴンズバッテリーに、野球の醍醐味を味合わせてもらった。
■助演選手賞
アリエル・マルティネス 選手
筆者は、捕手のリードのことはよく分からないが、勝野投手の好投を導いた強気のリードは画面越しにも十分に伝わってきた。
特筆すべきは同点で迎えた8回表。
先頭の西田選手に2ストライク3ボールとなり、絶対に四球は出したくないと誰もが思う場面。
なんとアリエル捕手は、2球連続で直球のサインを出すと、ミットをストライクゾーンのど真ん中に構えた。
打者がピッチャーの場面や、3ボールで打者が振ってこない場面では稀に見る光景だが、この緊迫した展開でど真ん中に構えるとは。
『最悪長打でも良いが、四球は絶対ダメ』
野球の流れを本能で分かっているのだろう。
結果、ど真ん中の直球を西田選手に芯で捉えられるも、ショートの京田選手がファインプレー。
『四球でファインプレーは生まれない』
強いメッセージ性のある肝の座った好リードを見ることができた。
■助演選手賞
武田 健吾 選手
8回裏に大事な場面で代打送りバントを決めた武田選手を選出。
武田選手のバントが上手いのは今シーズンに入ってからの発見だ。
外野守備に加えてバント職人となると、チームにとってはいよいよ代えの効かない選手になってくる。
打てなくても全然良い。
結果として相手のエラーを誘いチャンスを拡大。
この送りバントで逆転が決まったようなものである。
さて、明日の先発は梅津投手。
二十歳の“怪物“との真っ向勝負は、まだまだ続きそうだ。