腹を括れなかった首脳陣
結果は5-5で引き分け。
紛れもなく、勝つべき試合を引き分けとしてしまったドラゴンズ。投手起用の問題がどこにあったか、3つのポイントを検証してみることにしよう。
①:勝ちパターンの温存
今日で3連投となる又吉投手と4連投となるR・マルティネス投手。8回4点差で福投手を登板させたことから、どちらかを温存したかったのは間違いない。
②:勝ちパターンの投入
だが、8回に1点差に迫られると、又吉投手とR・マルティネス投手をどちらも投入した。つまり、4点差でなければ、今日も2人の勝ちパターンを起用する腹づもりだったことが伺える。
③:昨日の投手起用
そもそも2人が連投となっているのは、4点差の昨日の試合で登板したことが一因。今日引き分けた原因は、実は昨日の投手起用にあるのかもしれない。
さて、筆者の考える今日の問題ポイント、それは上記②のポイントだ。
まず前提として、与田ドラゴンズの勝ちパターン起用は「3点差以上の点差であっても勝ちパターンを投入する」という認識だ。これまで何度も見てきたし、それを否定するつもりはない。
とすれば、③は一貫性のある采配である。
しかし、今日は連投の問題から福投手、つまり①を選択した。それも仕方がない判断だ。又吉投手とRマルティネス投手が全ての勝ち試合で投げられるわけではない。
だとすれば、なぜ②の状況になってしまったのだろうか?
答えは簡単だ。
投げさせるのであれば回の頭から投げさせる、4点差など関係ない。
投げさせないのであれば休ませる、連投中なのだから仕方がない。
試合前に、この腹を括れなかった首脳陣に、今日の試合の最大の問題がある。
腹を括れない上司は、将の器に値しない。
先日、クローザー栗林投手を休ませてサヨナラ負けを喫したカープ・佐々岡監督に対しても意見は様々であったが、腹を括っていただけマシである。
■主演選手賞
ビシエド 選手
6回に試合を決めるスリーランホームラン。この流れで勝てないのは痛恨だ。
■助演選手賞
勝野 昌慶 選手
ランナーを出しながらも粘り強く6回1失点。勝ち投手まであと1アウトだっただけに、悔しい試合となった。
■助演選手賞
大島 洋平 選手
一時は逆転となる犠牲フライを放つ。最低限が欲しい場面で最高の仕事を果たした。
福 敬登 投手
3失点という結果が全て。勝ちパターンの代役を果たすことが出来なかった。