昨シーズンとの違いを感じた采配は、8回表2点を追いかけるドラゴンズの攻撃、2死1・3塁の場面だ。
まず少し驚いたのは、京田に迷いなく代打を送ったこと。8番打者だから当然と言えば当然。なんとなくアンタッチャブルな存在と見られやすい京田だが、立浪監督は開幕戦からアッサリと交代させた。
代打の山下に対し、ジャイアンツは投手を左腕の高梨にスイッチ。
次に驚いたのは、ここで立浪監督が代打の代打・鵜飼を起用したことだ。ドラゴンズが代打の代打を起用したケースは、ここ最近の筆者の記憶にない。
だが、それ以上に立浪監督の全力采配を感じたのは、同じタイミングで1塁ランナーに代走・高松を起用したことだ。
高松が盗塁に成功すれば、ランナー1・2塁となり、一打同点の場面となる。
この代走起用は、投手・高梨を打者だけに集中させないための至高の一手だ。
結果的に、鵜飼はライトフライに倒れ得点は奪えなかったが、勝ちを呼び込むための全力采配を開幕戦から見ることができた。
昨シーズンまでの「諦めの采配」に慣れたドラゴンズファンからすれば、新鮮な風を感じさせてくれる。