中日ドラゴンズ アカデミー賞

中日ドラゴンズ アカデミー賞

中日ドラゴンズを応援しています。主に試合で感じたことをアカデミー賞風に綴っています。

冷静と情熱のあいだ


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プロ野球の開幕延期が決定してから、キャンプから現在までの中日ドラゴンズアカデミー賞を発表してきた本ブログ。

 

今回は、最後の賞となる「主演選手賞」を発表します。

 

これまで発表済みの各賞受賞選手は以下の通りです。

 

■新人賞:岡野 祐一郎 投手

■ベテラン・中堅選手賞:石川 駿 選手

■若手選手賞:石橋 康太 選手

ゴールデンラズベリー賞小笠原 慎之介 投手

■助演選手賞(1人目):武田 健吾 選手

■助演選手賞(2人目):福谷 浩司 投手

 

いったい誰が「主演選手賞」に輝くのでしょうか。

 

 

それでは、発表します。

 

 

 

 

■主演選手賞

  山本 拓実 投手

 

 

2017年ドラフト6位、今年で3シーズン目を迎える20才、山本投手を「主演選手賞」に選出。

 

昨シーズン、1軍でのプロ初先発を経験し、そこから見事3勝を挙げる活躍を見せた山本投手。

同期入団の清水投手とともに、今シーズンの更なる飛躍が期待されている。

 

 

その期待を見越したように、キャンプ入り前から、ドライブ・ライン・ベースボールを取り入れた自主トレや、新球スラッターの習得など、精力的な取組みを行っていた山本投手。

 

状態の良さ・仕上がりの早さを首脳陣へアピールすることに成功し、キャンプ1軍スタートを勝ち取っただけでなく、チームとして初の実戦となる練習試合で先発投手を任されるなど、開幕ローテーション候補として名前が挙がるポジションをキャンプ早々に確立した行動力・意識の高さが素晴らしかった。

 

また、投手陣の中でいくつかのグループに分かれて調整を行うキャンプにおいて、調整を最も早く行う1番目のグループは、実戦のチャンスを早くから多くもらえるメリットはあるものの、結果を出し続け、後から登場する主力組に負けずに最後まで生き残るのはとても難しい

 

今シーズンは、山本投手の他に阿知羅投手・三ツ間投手・木下投手・藤嶋投手・又吉投手などが配置されていたが、阿知羅投手は大炎上、三ツ間投手・木下投手は怪我で離脱をするなど、その難しさを物語っている。

 

そんな中、オープン戦終盤まで結果と内容を残し、最終的には開幕ローテーション入り濃厚という評価を勝ち取った山本投手に、主演選手賞を贈ることとしたい。

 

 

実は、私の中での山本投手への評価は、周囲からの期待ほど高くはなく、今シーズンも昨年の3勝を上回る5勝を挙げることができれば、賞賛に値する成績だと思っている。(本人は二桁勝利を目標に掲げている。)

 

なぜかというと、昨年3勝は挙げたものの、立ち上がりが不安定であり、突如無駄なフォアボールを出すという投球内容は、とても安心して見ていられるものではなかったからだ。

 

ストレートは140キロ前半~中盤、特質すべき変化球があるわけでもなく、コントロールもまとまってはいるものの、抜群かといわれればそこまでではない。

 

常に打者へ全力投球で向かっていくスタイルは清々しさを感じるが、研究もされるであろう今シーズン、それだけで通用するほど一軍は甘くはない

 

個人的には、短いイニングを全力で投げる中継ぎの方が将来的には向いているのではないかとも思っている。

 

 

しかし、山本投手を見ていて一番感心させられるのは、私の持っているこの低い評価よりも更に低い評価を自分自身に対してしているように感じる点である。

 

「変化しなければ通用しない」

 

自分が弱いことを肯定し、成長への考えを止めない姿勢は、山本投手の一番のストロングポイントであると感じる。

客観的な評価を、冷静に自分に対して下しているように見える。

 

実際に、新旧スラッターは昨シーズンからの変化の象徴である。

十分試合で使えるレベルに磨き上げてきた。

 

高校時代はほぼ無名であった3年目の投手が、自ら考え変化・成長していくことで、開幕ローテーションの座を掴もうとしている。

 

私の中では、迷いなく「主演選手賞」に選出した。

 

 

もっとも、山本投手に一番驚かされたのは、私が「主演選手賞」の選出を決めた後のニュースである。

 

シーズン開始が延期となり練習時間が生まれたタイミングで、なんとフォームの改造に乗り出した。

コメントによると、どうやらシーズン終了後に予定していたフォーム改造を前倒しするということだ。

 

普通、開幕ローテーションを掴む位置を初めて勝ち取った投手が、1試合も投げずにフォームを改造するだろうか?

 

フォーム改造が失敗するかもしれないリスクを背負いながら、なお成長を目指していく姿勢。驚くべき向上心の持ち主である。

 

 

ちなみに、同期入団の石川翔投手と山本投手は、お互いの野球に対する気持ちが強すぎて、野球に関する考えを話し出すと、すぐ言い合いになってしまうらしい。

野球に関する自分の考えは譲らない、理論的で情熱的な一面もある投手である。

 

 

今シーズンのオープン戦で一試合、相手に打ち込まれる試合があった。

試合後、マウンド上での冷静さ・客観性を欠いてしまったと、本人がコメントしていた。

 

情熱的になること、冷静さを保つこと

まだ若いながらに、精神面でのコントロールも課題に挙げる山本投手。

 

 

シーズン前の私の評価が間違っていたと、シーズン後の結果で見返してもらいたい。