宮崎フェニックスリーグ
2020/11/22 対横浜DeNAベイスターズ(3-2勝利)
セ・リーグを制したとしても、ソフトバンクに勝つことは現時点では不可能だと痛感させられる日本シリーズ。
出会い頭の優勝ではなく、常勝チームを作り上げて行かねばソフトバンクには勝てない。チーム力の強化は、中長期的視野で行なっていく必要性があることを改めて感じさせてくれる。
その点、ドラゴンズにとってこの時期最も大切なのは、FA補強よりも外国人補強よりもフェニックスリーグでの成長である。
それでは、今日の試合で注目した選手について、簡単にコメントしよう。
丸山泰資投手
サイドスローに転向してから初めてピッチングを観ることができた。腕の角度はサイドスローよりもやや低め、アンダースローに近い感じだ。
サイドスローやアンダースローの投手で活躍している投手の共通点は、まず投球フォームに変な違和感が無いことだと筆者は思っている。
又吉投手・三ツ間投手などは全く違和感がない。逆に、濱田達郎投手(スリークォーター気味だが)や転向したばかりの鈴木博志投手はすごく違和感を覚える投げ方をしている。
言葉にするのは難しいが、サイドスローの身体の使い方ができていないのだろう。腕が低いだけで身体はオーバースローの動きから抜け出せていない。
丸山投手も今日観て感じたのは違和感だ。
長く怪我に苦しんでいた投手だけに、これから投球フォームが良くなっていく可能性も大いにあり得るが、突然1軍で活躍し始めるイメージは正直持てなかった。
転向したばかりであっても、例えばジャイアンツの大江投手のように全く違和感のない投球フォームを身につける投手もいる。丸山投手は大学時代サイドスローの投手だったらしいが、一度全てを脱ぎ捨てて、相手にとって嫌らしいサイドスロー投手を目指してもらいたい。
根尾昂選手
フェニックスリーグでは、ショートを守る機会が多い根尾選手だが、今日も元気にエラーをしている。守備も打撃もなかなか柔らかさが出てこない根尾選手だが、土田選手の入団もあり、来年は外野の守備機会が増えるかもしれない。
これには筆者も賛成である。完全に外野転向を勧める訳ではないが、外野7・内野3くらいの比率が良いかもしれない。
今後2年間程度は外野のレギュラーを目指す。打撃が開花しなければ、その後、内外野のユーティリティとして1軍定着を目指す。そんなザックリとしたイメージで、まずは外野守備に重きをおいても良いかもしれない。
石川翔投手
筆者がピッチングを観た中では、今日の内容が最も良かった。投球の9割がストライクゾーンという人が変わったかのようなコントロールを披露し、あっという間に三者凡退に抑える投球。
ストレートに相手は差し込まれ、スライダーにはクルクルとバットが回る。
身体の状態も良いのだろう。フェニックスリーグでは中1日程度で登板を続け、1イニング限定ではあるが登板回数が増えている。
今日の投球を続けることが出来れば、来シーズン1軍のマウンドに上がることも決して夢では無いはずだ。
今シーズンのドラゴンズには頼れる中継ぎ投手が5人しかいなかった。又吉投手・谷元投手・福投手・祖父江投手・Rマルティネス投手である。
優勝するためには、筆者はあと5人頼れる中継ぎが必要だと思っている(前述の5人が来シーズンも活躍できるかは未知数であるということも含めて)。
一番手っ取り早いのは『外国人補強(1人目)』。欠かせないのは『復活(2人目、岡田投手・藤嶋投手など)』。腕の見せ所は『中継ぎ転向(3人目、山本投手・岡野投手など)』。期待したいのは『成長(4人目、木下投手・マルク投手など)』。そして最後は『新星(5人目、石川投手・森投手など)』である。
『新星』候補の1人として、石川翔投手は来シーズン勝負の舞台に立つことが出来るのか。願わくば『超新星』としてドラゴンズ新世代を導く存在へと成長していってもらいたい。