中日ドラゴンズ アカデミー賞

中日ドラゴンズ アカデミー賞

中日ドラゴンズを応援しています。主に試合で感じたことをアカデミー賞風に綴っています。

『ベースタッチゲーム』の行く末


ブログランキングに参加しています。
この記事を読んで「参考になったよ!」という人は応援クリックをお願いします。
↓ ↓ ↓ 
にほんブログ村 野球ブログ 中日ドラゴンズへ
にほんブログ村

 

横浜DeNA、第1巡指名選手

忍たま乱太郎外野手、都立忍術学園高校

 

2025年、横浜DeNAベイスターズはドラフト1位に野球経験1年の高校3年生、忍たま乱太郎外野手を指名した。

 

なんとこの忍たま乱太郎外野手、『ベースタッチゲーム』の勝率が8割を超える忍者の中の忍者である。

 

 

『ベースタッチゲーム』とは、野球ベースの2メートル手前から攻撃側であるランナーがベースに向かって走り込み、守備側である野手はベースに触れられる前にボールを持ったグラブでランナーにタッチをするというゲームである。

 

通常の勝率は、攻撃側が3割・守備側が7割

守備側が意外と難しいのは、攻撃側が左右両手・両足のフェイントを巧みに使える一方で、守備側はボールを持っている手でタッチをしないといけない制約があるからだ。

 

2020年頃から普及しだしたこの『ベースタッチゲーム』は、プロ野球がリクエスト制度を導入したことで人気に火が付いたが、もはやスロー映像で勝敗を判断することは困難であるため、プロ野球界は他競技に救済を求めた。

 

その結果、フェンシング協会から的確な助言を受け、2022年からベースとグラブにそれぞれセンサーを設置。

先に触れた方に光が点灯するという画期的な仕組みを導入した。

 

 

2026年、ドラゴンズはベイスターズとの開幕戦を迎えた。

3対3の同点のまま、試合は9回へ。

 

ノーアウトからベイスターズの4番、佐野選手がヒットで出塁。

ここでなんとラミレス監督は、高卒ルーキーの忍たま乱太郎外野手を代走で起用

 

思い切った采配に驚いたドラゴンズ立浪監督は手元の資料に目を落とすと、忍たま乱太郎外野手の50m走最速タイムは6秒4。別に足は速くない。安心して打者集中の指示を送った。

 

ところが初球、忍たま乱太郎外野手が果敢に盗塁を敢行。

タイミングは余裕でアウトであったが、ここは『ベースタッチゲーム』勝率8割を誇る忍たま乱太郎

 

ショート京田選手のタッチを楽々かわし、セカンドベースに光が点灯する。

 

続く二球目。

今度は三盗を敢行した忍たま乱太郎外野手だが、またしてもタイミングは余裕でアウト。

 

しかし、忍術学園仕込みのベースタッチ術は、生半可なものではない。

 

右足のスライディングでベースタッチを試みると思いきや、スライディング途中に急に停止し、立ち上がると左足でベースタッチ。

と思いきや、左足を引っ込めてから右手を上から潜り込ませ、見事に盗塁成功。

 

サードベースに光が点灯する。

 

ノーアウト3塁となったベイスターズは、カウント1-1から打者の神里選手にセーフティースクイズのサイン。

 

神里選手のバントは投手正面のゴロとなったが、なんと3塁ランナーの忍たま乱太郎本塁突入

タイミングは余裕でアウトであったが、ドラゴンズ捕手の石橋は『ベースタッチゲーム』が大の苦手

 

パワプロでは『タッチ×の能力が付いており、盗塁阻止率は5割にも関わらず、ベースタッチゲーム勝率は2割というセ・リーグ最低の数字を記録している。

 

こうなれば本塁の『ベースタッチゲーム』の勝敗は明らかだ。

ゴールドの鮮やかな光がホームベースに点灯した。

 

ルーキー忍たま乱太郎は、開幕戦で2盗塁1得点3ベースタッチを記録。

見事にベイスターズの開幕戦勝利に貢献し、お立ち台に登場。

 

『初出場で緊張しましたが、「ベースタッチゲーム」の勝率が3割を超えていれば、神里さんのヒットよりも自分が盗塁してセーフになる可能性が高いと思っていたので。数字を信じて起用してくれたラミレス監督に感謝したいです。

 

 一方敗れたドラゴンズの石橋捕手は、谷繁バッテリーコーチにお叱りを受けていた。

 

グラブはベースの上に置いているだけで良いって何度も言っているだろう。明日の打撃練習は半分に削って、ベースタッチゲーム」の特訓を行ってこい。阿部コーチに頼んでおくから。』

 

阿部寿樹ベースタッチコーチ

『石橋、今日は新たな技術を教える。左手のグラブにボールがあると見せかけ、素手の右手でボールを持ち、右手でランナーにタッチをしに行くという高等技術だ。』

 

 

1980年代、アリゴ・サッキ監督率いるACミランオフサイドトラップという画期的な戦術でサッカーの世界を激変させたように、今後野球の世界も劇的な進化を遂げていくのかもしれない。

 

(この物語はフィクションです。)