今回は、先日助演選手賞に選出した武田選手を中心に、ドラゴンズの将来の外野陣、特にセンター大島選手の後継者について考えていく。
まず、現在の外野レギュラー陣の年齢を確認してみたい。
センター:大島洋平34才
ライト:平田良介32才
次に、控え外野手の年齢を確認してみる。
藤井淳志38才、シエラ31才、遠藤一星31才、井領雅貴30才
ここまでが30代。
渡辺勝26才、武田健吾26才、滝野要23才、伊藤康祐20才、岡林勇希18才
以上である。
多くのドラゴンズファンが認識していることではあるが、改めて確認すると実に歪な年齢構成である。
13選手中8選手が30代なのだ。
昨年、松井祐介選手と武田選手のトレードが行われていなかったら、さらに恐ろしい。
20代外野手はたった3選手である。
ちなみにドラゴンズの内野手(捕手を除く)は、
30代が3選手、20代以下が10選手である。
なるほど、外野手は敢えて少数精鋭なのか。
その希少な20代外野手の実績を確認してみると、
渡辺勝:通算27試合出場4安打(なんせ育成入団である。)
武田健吾:ドラゴンズ通算29試合出場5安打(なんせ昨年のトレード入団である。)
滝野要:通算0試合出場0安打(なんせ昨年1年目のドラ6である。)
伊藤康祐:通算14試合出場6安打(なんせまだ20才と3ヶ月である。)
みんな合わせて15安打である。
精鋭どころの騒ぎではない。
大野雄大投手(通算22安打)にも及ばない数字である。
そう、誰がどう考えても、ドラゴンズの外野陣は今のスタメン3選手の後継者がいないのである。
ここでその理由を責め立てる気はないが、ドラフト指名が原因であることは間違いない。
ここ10年の外野手指名選手(育成指名を除く)が以下の通りである。
2012年:ドラフト3位古本選手
2014年:ドラフト3位友永選手、6位井領選手
2018年:ドラフト6位滝野選手
2019年:ドラフト5位岡林選手
2014年に指名された井領選手が今年30才を迎えている。
その後に指名された選手が2人しかいないのだから、まぁ20代以下の選手が少ないはずである。
むしろ渡辺選手(2015年育成6位)が育成契約から支配下を勝ち取ったことで、1人増えたラッキーくらいの感覚である。
当時の編成陣(編成方針)は明らかに持続可能性に欠けていた。
さて、仮に現レギュラー陣が35才でレギュラーを退くとしよう。
残された後継者育成期間は、
大島選手後継者育成まで残り時間1年
平田選手後継者育成まで残り時間3年
福田選手後継者育成まで残り時間4年
である。
もちろん、現在のアルモンテ選手のように、外野手の1人は外国人になることが現実的だ。
しかし、編成・育成の観点では外国人はあくまで助っ人である。
楽観的な予測にならないためにも、日本人3選手をレギュラー格に育てたい。
(35才でレギュラーを退くという前提が楽観的かもしれないが・・)
一番差し迫っているのが、大島選手の後継者である。
センターという守備力が求められるポジション。
現時点で後継者として最低のハードルをクリアしている選手は、個人的には武田選手のみであると考えている。
遠藤選手・井領選手・渡辺選手・滝野選手・伊藤選手、いずれも守備力が不足している。
もしかすると内野からのコンバートによって後継を考えているかもしれない。
センターとなると根尾選手だろうか。夢は膨らむ。
但し、そう甘くはない。
根尾選手と同じく左打ちで若くから活躍している印象のある日本ハムの西川遥輝選手。
彼がレギュラーを掴んだのは高卒入団4シーズン目である。
同じく広島の西川龍馬選手がレギュラーを掴んだのは高卒社会人経由の入団4シーズン目である。
根尾選手を大島選手の後継者と考えるには、大島選手が今後5年間程度活躍を続けるという超楽観的な前提が必要だ。
そういった意味で、現時点で最低限のハードルをクリアしている武田選手の存在はチームにとって非常に重要である。
大島選手が活躍を続けているうちに、少しでも実力を上げ、できれば大島選手からポジションを奪う理想的な世代交代を実現してもらいたい。
武田選手もうかうかはしてられない。
近年のドラゴンズ編成陣はとてもまともである。
昨年のドラフトでは、JR西日本の佐藤直樹外野手(ソフトバンク1位入団)の指名を予定していたようである。
今年のドラフトでも上位で大卒・社会人卒の即戦力外野手の指名があるであろう。
今後数年にわたり、ライバルが毎年入団してくる覚悟が必要だ。